おしゃべり通信

きぼうときずなプロジェクト7年目のご挨拶
2011年3月11日マグニチュード9.0の巨大地震が東日本全体を襲った時、私は台湾での講演の最中でした。帰国につく際の空港で、パスポートに書かれている「本籍Fukushima」をみた出国担当事務官が「がんばって」と日本語で言ってくれたことが忘れられません。
どうがんばればいいのか、それは常に大きな課題でした。被災された住民の方々を支えつつ地域医療の新しいシステム作りに少しでも貢献できることはないだろうか。
震災から1ヶ月のうちに、私は独自の支援活動を立ち上げ、被災地のニーズに応えていく形で継続してきました。
この7年間の活動は、「気づき」でした。そして今「気づき」を「きっかけ」に、「動き」にしていくこと、そうすることが、「きぼうときずな」の実現であると考えます。

「きぼうときずな」プロジェクト 代表 大橋靖雄

きぼうときずな代表 大橋 靖雄とリーダー 石井 苗子、活動の足「ぺ号」が、きぼうときずなプロジェクトの「今」を語ります。
  • NPO法人日本臨床研究支援ユニット
    理事長 中央大学理工学部教授
    東京大学名誉教授 福島市出身
    周りを気にせずどんどん進む先見の人、周りはポカ~ン(@_@;)
    ☆今月のはまっていること
    根性論

    詳しいプロフィール
  • NPO法人日本臨床研究支援ユニット
    理事 参議院議員 東京都浅草出身
    人情篤く物事命がけ!泳ぎ続けるマグロ状態…でも超元気!(^^)! 

    ☆今月のはまっていること
    精神論

    詳しいプロフィール
  • 医療関係者やスタッフを乗せて被災地を縦横無尽に駆け巡っている。三つ子。福島県いわき市と郡山市在住
    無口で聞き上手。雨にも風にも凸凹道にも負けない辛抱人 好物はレギュラーガソリン。
    ☆今月のはまっていること
    叱咤激励(される方)

    詳しいプロフィール

No.12  福島の風物詩“種まきうさぎ”がとけ種まきが始まりました
きぼうときずなも地域医療支援の苗をしっかり育てて参ります!

新緑の季節5月、僕の故郷福島の“種まきうさぎ”も溶けて、すっかり形がなくなりました

種まきうさぎ??

吾妻小富士の山肌に残る残雪の形がうさぎに似ていて、雪うさぎみたいにみえるんです。この雪うさぎが見えるころになると、農家の人たちは、苗代に種をまき始めるので、それで種まきうさぎと呼ばれるようになりました

へ~かわいいわね、種まきうさぎ、福島の風物詩だわね。苗代か~。アタシは苗子。おっと!なえこではありません“みつこ”と読みます

福島市の吾妻小富士(標高1707m)の北東斜面に現れる雪の形をした“雪うさぎ”

春、福島市の吾妻小富士(標高1707m)の北東斜面に現れる雪の形をした“雪うさぎ”。
ちょうどこの頃に農作物の種まきを始めることから“種まきうさぎ”と呼ばれ福島市民に親しまれている。

2011年5月きぼうときずなプロジェクト事務局を立ち上げたばかりの頃の大橋・石井、共に活動を始めた聖路加国際大学の山田雅子先生。

2011年5月きぼうときずなプロジェクトを立ち上げたばかりの頃の大橋・石井、共に活動を始めた聖路加国際大学の山田雅子先生。ちょうど後ろに吾妻小富士の雪のうさぎが見える。

きぼうときずなも、この7年、ずいぶんいろんなことにトライしてきました。地域医療の理想の形を模索しながらの種まきですね

2011年は、必死の1年だったわ。東京にいるより被災地にいたほうが多かったかもしれないなぁ

丈夫な“苗”のおかげでこのプロジェクトも大きく育ちましたよ。初年度は延べ1,075名の看護師を福島県に派遣しました

2011年5月大橋の要請で福島市できぼうときずな立ち上げのマスコミ記者会見を開催した

2011年5月大橋の要請で福島市できぼうときずな立ち上げのマスコミ記者会見を開催した。翌日の新聞に「1年間で1千人の看護師を福島に派遣」と書かれてしまい、資金も人材確保もこれからの時に、約束が守れるか不安で夜も眠れなくなった石井。

あの時大活躍したのが、きぼうときずな医療支援車“ぺ号”3兄弟でしょ!相馬号は8月までの走行距離が1万4954キロよ、地球1周が4万キロだからえっと~

ずいぶん走りましたね

走りまくった……

活動を開始するにあたって、一番の問題は“足”でした。なんせ福島県は、47都道府県のうち3番目に大きい面積を保有してますからね。それがこのぺ号3兄弟の登場で地域に密着した医療支援活動を長期的に継続することを可能にしてくれました

ぺ号には、それぞれペ・ヨンジュン氏寄贈と記されてるけど、それをみつけたペ・ヨンジュン氏ファンの方から写真撮影を求められることあったわね

ぺ号は医療支援車として当時も今も被災地や仮設住宅などへの医療者の派遣や運搬などにフル活動

ぺ号は医療支援車として当時も今も被災地や仮設住宅などへの医療者の派遣や運搬などにフル活動。ぺ・ヨンジュン氏のファンの方からの継続的な募金はガソリン代の一部としてありがたく使わせて頂いている。

そうです、そうです!2011年5月のぺ号お披露目では、会場に駆けつけてくださった方々が、医療支援車のガソリン代にと募金協力してくださいましたね。あの年の9月にはぺ・ヨンジュン氏本人が来日されて、石井さん感謝状を持ってお礼に伺いましたよね

なが~い廊下の両脇には、黒いスーツのSPがずら~っと並んでいて、その先のお部屋がぺ・ヨンジュン氏の控え室、荘厳な面会だったわ、会話は英語だったけど、とにかく感謝の気持ちを伝えなければと緊張しちゃった~

2011年9月、ぺ・ヨンジュン氏来日時に医療支援車「ぺ・ヨンジュン号」寄贈のお礼に贈った感謝状とツーショット記念写真を懐かしく眺める石井

2011年9月、ぺ・ヨンジュン氏来日時に医療支援車「ぺ・ヨンジュン号」寄贈のお礼に贈った感謝状とツーショット記念写真を懐かしく眺める石井。医療支援車のおかげで被災地支援を継続できたと言っても過言ではない。

ぺ号のガソリン代は、早稲田実業学校の食堂に置かれている自動販売機の売り上げも貢献してくれてます

自販機の売り上げの2%が、きぼうときずなへの寄付となって、医療支援車のガソリン代に充てさせていただいてるのよね。ぺ号というのは皆様から善意で、今日まで走り続けてるんだわ

ありがたいことです

早稲田実業学校に被災地サポートのお礼にうかがった石井

早稲田実業学校に被災地サポートのお礼にうかがった石井。きぼうときずなプロジェクトのシールがはられた自販機の前でニッコリ(^^)v

2012年になると、これまでの活動が自治体との受委託契約となって継続していくことになったわね、いわきは被災者健康支援事業として活動を開始

そうです、そうです。これが今回採択を受けた、年賀寄附配分事業の前衛です。巡回家庭訪問や交流サロンでの健康相談、そして健康調査票の作成・データを集計、自治体と密に情報交換を行ってきました

地道に構築した自治体とのネットワークをもとに、住民の方々の声に忠実である活動

2013年には、富岡町からの委託である医療支援事業の一環として、町の敬老会式典会場で健康フェアを開催しましたね。これは、現在ヨークベニマルさんの店舗一角をお借りして開催している健康チェック店舗開催の前衛ですよ

2013年9月に開かれた郡山市といわき市での富岡町敬老会

2013年9月に開かれた郡山市といわき市での富岡町敬老会。きぼうときずなは、肥満度を割り出したり、骨密度を測定したり、足腰の筋力チェック、さらに栄養相談にのるなどの『健康フェア』を開催。石井はじめスタッフ一同、被災地支援に手ごたえを感じたイベントとなりました。

ふと立ち寄ったところに健康チェックのためのブースが設置されていて、希望者はだれでも参加できます。もちろん保健師が一人ひとりの結果について説明しながら、ご相談に応じます。気軽に体の状態をチェック

そうですね、店舗開催は復興庁や福島県庁の心の復興事業として実施してますが、今年度は、活動支援としていただいた寄付を使って、もっと新しい項目も増やしていこうと思ってます

歯の検診や、目の検診、ヘモグロビンA1c検査で血糖状態を調べるのね。病気になる前の“予防”は、まずは自分の体の状態をきちんと知ることね

2014年度は、前年にお手伝いとして参画した日本医療政策機構さんの復興庁事業を受け継ぐ形で“はまらっせんプロジェクト”を実施しました。その時の健康的料理教室“健康おもてなし隊”“料理おもてなし隊”に加え、もの作りや、学生ボランティアとの交流という要素も加えたものが、現在の“心と体の栄養復興プロジェクト”となるわけです

復興庁関連事業として2014年に開催した「はまらっせんプロジェクト」

復興庁関連事業として2014年に開催した「はまらっせんプロジェクト」。東京の和洋中華のシェフが参加者と栄養バランスの優れたおいしい料理を作り一緒に会食を楽しみました。石井も得意の料理の腕を大いに発揮。

食を通じて元気になってもらいたいとスタッフもがんばりました

食を通じて元気になってもらいたいとスタッフもがんばりました。手前には若手保健師のAI氏の笑顔が(^^♪

住民参加型のイベントで、もの作りの達成感や、学生との交流で充実感を感じてもらって心も元気に過ごしてほしいということよね。そもそも心の復興なくして、なにを復興するかだわよね

楽しい時間の傍らで健康チェック、これもみなさんの会話の中の話題の一つになればいいんです

2014年9月郡山でのはまらっせんプロジェクトで参加者の皆さんとくつろぐ石井

2014年9月郡山でのはまらっせんプロジェクトで参加者の皆さんとくつろぐ石井。料理作りに健康相談に手も口もフル回転、もうのどがカラカラ~(^O^)

あれ、そういえば、先月、年度末年度初めの慌ただしい中で作成して申請した今年度の復興庁はどうしたかしら???

もちろん採択受けましたよ。4月27日に復興庁より連絡がありました

よ~っし!心と体の栄養復興プロジェクト、4年目突入~

地域にあったオプションも加えて、より早期の予防です

「きぼうときずなは今年も富岡町で健康支援やりますよ~!!」の記事

今年4月、富岡町広報誌に掲載された「きぼうときずなは今年も富岡町で健康支援やりますよ~!!」の記事。

リノベーションが終わりきれいになった富岡町保健センター

リノベーションが終わりきれいになった富岡町保健センター。昨年3月帰町後は役場の一角に間借りしていましたが、ようやくこの4月からもともとの保健センターで業務開始。きぼうときずなもさっそく昨年度の報告書を提出するため、ぺ号が富岡町保健センターを訪問しました。ぺ号は7年間走り回っていますが、日々の点検とメンテナンスで快調です! これからも頑張ります(^_-)-☆

こんにちは、現地で動き回っているきぼうときずな号です。今回は、大橋先生、石井さんにいままでの活動を振り返っていただきました。活動している側からすると、あっという間に過ぎているように感じます。
でも、住民の皆様にとっては時間の流れ方は違っていると思いますし、どこまで寄り添うことができたのか、どこまで力になることができたのか、まだまだ宿題はたくさんあります。

そこで宿題といいますか、課題を確認するためにも、今までの活動報告をHP上や何かの形で、公開して行きたいと思っています。自分達だけではなかなか気が付かない部分を、皆様からの叱咤激励によって見えるようにしていこう、というわけです。
合わせて、現代には欠かせないツールである、スマホでも見やすいようなモバイル用HPも整備していきたいと思っています。
ちょっと時間がかかってしまうかもですが、お待ちくださいませ。

やはり、本業に精を出しているときが、一番やりがいを感じますね~!


今月の稼動回数:12日
今月の走行距離:1102km
→食費目安 18000円
(燃費8.5km/L、ガソリン145円/Lより算出)

きぼうときずなプロジェクト今後の予定

■ 6/12(火) 筋質測定@いわき市地区健康増進事業
◇会場:長友集会所 @福島県いわき市
◇内容:地域の高齢者向けの健康増進事業にて、筋質測定を実施します。
◇協力:四倉久之浜・大久地区保健福祉センター

■ 6/13(水) 健康講話@栄養セミナー
◇会場:会津若松市老人福祉センター・希らら
◇内容:地域のアクティブシニア(65歳以上の高齢者)を対象に、担当保健師から栄養と健康に関するお話をします。
◇協力:会津若松市社会福祉協議会

■ 6/20(水) 筋質測定@いわき市地区健康増進事業
◇会場:大浦公民館 @福島県いわき市
◇内容:地域の高齢者向けの健康増進事業にて、筋質測定を実施します。
◇協力:四倉久之浜・大久地区保健福祉センター

■ 6/26(水) 健康相談会@2018年度年賀寄附金配分事業
◇会場:四倉南団地集会所 @福島県いわき市
◇内容:災害公営住宅で健康相談会を開催し、現状と健康課題を把握します。
◇協力:いわき市社会福祉協議会

■ 6/28(木) 筋質測定@いわき市地区健康増進事業
◇会場:小久集会所 @福島県いわき市
◇内容:地域の高齢者向けの健康増進事業にて、筋質測定を実施します。
◇協力:四倉久之浜・大久地区保健福祉センター

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