おしゃべり通信

きぼうときずなプロジェクト8年目のご挨拶
2011年3月11日マグニチュード9.0の巨大地震が東日本全体を襲った時、私は台湾での講演の最中でした。帰国につく際の空港で、パスポートに書かれている「本籍Fukushima」をみた出国担当事務官が「がんばって」と日本語で言ってくれたことが忘れられません。
どうがんばればいいのか、それは常に大きな課題でした。被災された住民の方々を支えつつ地域医療の新しいシステム作りに少しでも貢献できることはないだろうか。
震災から1ヶ月のうちに、私は独自の支援活動を立ち上げ、被災地のニーズに応えていく形で継続してきました。
この8年間の活動は、「気づき」でした。そして今「気づき」を「きっかけ」に、「動き」にしていくこと、そうすることが、「きぼうときずな」の実現であると考えます。

「きぼうときずな」プロジェクト 代表 大橋靖雄

きぼうときずな代表 大橋 靖雄とリーダー 石井 苗子、活動の足「ぺ号」が、きぼうときずなプロジェクトの「今」を語ります。
  • NPO法人日本臨床研究支援ユニット
    理事長 中央大学理工学部教授
    東京大学名誉教授 福島市出身
    周りを気にせずどんどん進む先見の人、周りはポカ~ン(@_@;)
    ☆今月のはまっていること
    宇宙

    詳しいプロフィール
  • NPO法人日本臨床研究支援ユニット
    理事 参議院議員 東京都浅草出身
    人情篤く物事命がけ!泳ぎ続けるマグロ状態…でも超元気!(^^)! 

    ☆今月のはまっていること
    銀河

    詳しいプロフィール
  • 医療関係者やスタッフを乗せて被災地を縦横無尽に駆け巡っている。三つ子。福島県いわき市と郡山市在住
    無口で聞き上手。雨にも風にも凸凹道にも負けない辛抱人 好物はレギュラーガソリン。
    ☆今月のはまっていること
    戦友

    詳しいプロフィール

No.23 被災地を走る医療支援車ぺ号
8年ぶり東京へお里帰り!

新しい時代がはじまりました

Happy 令和 初春の令月にして、気淑く風和ぎ

新元号「令和」がスタートしました。由来となった和歌にある「令月」とは素晴らしい月を表すとのこと。きぼうときずなも、みんなで心を寄せ合い、復興の花を咲かせたいと、あらためて思っています!

平成は、戦争はなかったけど災害が多すぎたわ、令和は戦争も天災もない穏やかな時代となってほしいわ

そうですね、でも新しい時代になったからと言って震災の被害が癒えたわけではありませんからね

そうよ、風化してしまう、忘れ去られてしまう、そんなことがないようにしっかり支援を続けていくわよ

久しぶりにぺ号がお里帰りしました

行ってらっしゃいとみんなに見送られ、きぼうときずなの事務所がある湯島を出発してから8年。なんと8年ぶりのお里帰り

備品の積み替えをして、桜が満開の東京見物をして?! また、あっという間にいわきに戻ってしまいましたけどね

さくら咲く神田明神前に佇むぺ号

お日柄もよく満開の桜に出迎えられたぺ号。神田明神にお参りして、これからも一生懸命に被災地で走り回ることを誓いました(^^♪

働き者のぺ号は休み知らずね

よく走ってくれました。9万キロ達成です

ええ~どこまでいけるのかしら~9万キロ

地球から一番近い月までの4分の1の距離です

地球を飛び出し宇宙に向かうぺ号のイラスト

この8年間のぺ号の走行距離は9万キロ。
月まで届くようにこれからも走り回ります(^.^)-☆

あのぉ……月ねぇ~、まさか宇宙にナースステーションを作るとかって、そういう発想かしら???

きぼうときずなの保健師には国境はありません、オーロラだって越えていくじゃないですか

そっ、そうよ!! まかせてっ!

2011年の震災以降、毎年福島へクリスマスプレゼントを届けてくれる厚木キャンプの米軍兵のみなさんと石井

被災地での健康支援に国境は無し!
2011年の震災以降、毎年福島へクリスマスプレゼントを届けてくれる厚木キャンプの米軍兵が富岡の夏祭りに参加してくれました!

健康チェックに参加してくださったアフリカからの労働者の方と保健師AIBA

冨岡あんしんプロジェクトではアフリカなどからの労働者も健康チェックに参加。保健師AIBAは彼らと意気投合(^・^)

さて、ぺ号のプロフィールを紹介しましょうか
ニッサンキャラバンDX ホワイト
バン[ロングボディ・標準ルーフ/低床]

多種医療機器搭載!

福島県は国内47都道府県のうち、3番目に大きい面積を保有していますからぺ号の登場で広い県内できめ細かい充実した医療支援活動を続けてくることができました

“ぺ号”っていうのは愛称で、本名は医療支援車といいます。寄贈してくださったのが、韓国俳優ぺ・ヨンジュン氏、それで苗字のぺをいただいたというわけよね。
That’s why

医療支援者の車体。医療支援チーム、寄贈 ぺ・ヨンジュン、J-CRSU、聖路加看護大学と記されている

「寄贈 ぺ・ヨンジュン」と書かれた医療支援車。ぺ・ヨンジュン氏ファンの方々が震災当初からガソリン代にと寄付を送って下さっています。ぺ号車体にはきぼうときずなの事務局があるJ-CRSUの名前も

ぺ号は本当は4兄弟なんですよね!? ぺ1、ぺ2、ぺ3、
そしてぺ4(ぺ・ヨンジュン氏)が寄贈者…

先生!何を失礼なことをおっしゃってるんですかぁ、でもたしかに、ペ・ヨンジュン氏ファンの方々がガソリン代にと寄付してくださった額は、4,444円とか、4300円とか、4,400円とか~、そうそう4,343円(ヨンサマ)とか、この数字が一回きりでなくて、何度も登場してたわね

100万円単位を現金でお持ちくださった方もいらっしゃいましたね、たくさんの方に親しまれながら任務遂行のぺ号です

ぺ1号相馬号の開始は2011年5月8日、ぺ2号いわき号は5月14日、ぺ3号郡山号は6月14日

先日出版された“災害看護と心のケア 福島なごみの挑戦”にもぺ号は登場しますね、26ページにぺ号来るというタイトルがあります

「災害看護と心のケア」の表紙

東日本大震災で被災した元自衛官で精神科認定看護師の米倉一磨氏が書いた『災害看護と心のケア』にぺ号も紹介されています。米倉氏は震災10か月後に、「相馬広域こころのケアセンターなごみ」を設立、真の精神医療保険福祉システムを模索されています。きぼうときずなは1年間「なごみ」のお手伝いをさせて頂きました

当時相馬には宿泊先がなくて、毎朝福島から看護師を乗せて相馬へ通ったぺ号、片道1時間半、ドライバーの須田君は大橋先生に感謝してるといってたわよ

えっ僕にですか?

ぺ号の運転を頼まれて、僕は今まで知らなかった世界を見たり知ることができたっていってたわ

長身で、スキンヘッドで一見凄味があるかんじでした。でも風貌とは異なりとても気持ちの優しい青年でしたね、それにしても毎日往復3時間の運転はご苦労様でした

郡山のぺ号は、初代は小倉さん、郡山でご自分の会社を経営されてたけど、震災の影響で仕事もストップしてしまいドライバーを探していた私たちに協力してくださったのよね

郡山のぺ号初代運転手を務めて頂いた小倉さん、石井、聖路加国際大学看護部の八重ゆかり先生

2011年、郡山に設置された富岡町支所の前で、郡山のぺ号初代運転手を務めて頂いた小倉さん、石井、聖路加国際大学看護部の八重ゆかり先生と

助かりました、まだ震災で県全体が動揺してる時期になかなか人材も見つかりませんでしたからね、我々も小倉ドライバーの運転でいろんなところに行きましたね

小倉さんが、ご自身のお仕事を再開されると2代目は高校生のお子さんを筆頭に4人の子持ちの元気ママ吉田さん、朝早い時間から稼働してくれたわ。 そして家庭訪問を続けるぺ号がドライバーさんの負担にならないようにとシフト制にして、加わってくださったのが、近藤さんと本多さん、お二人ともとても几帳面に医療支援車活動記録を残してくださったわ

いわきのぺ号には悲しい出来事もありました

ドライバーの鈴木さんの急死。本当に残念な出来事だったわ、彼はまだ若いのに……30半ばだったわ

持病の心臓病の発作でした

心臓の病気を抱えていたけど、普通の生活にはなにも支障なく過ごせてて、ぺ号の運転をこよなく愛してくださってたわ。県外でもどこでも運転してくれて、会場では備品の運搬も手伝ってくれたわ。訃報は、岩沼市の玉浦西地区で羊をみんなでみながらはしゃいで、それからたった1ヶ月後のことだったのよね

いわぬま羊村の羊を見る鈴木さん、石井とスタッフたち

いわき市でぺ号の運転を一手に引き受けてくださった鈴木さんは、岩沼の海沿いに作られた羊牧場で、石井の隣でこの写真を撮ったひと月後に帰らぬ人となってしまった

惜しい人材をなくしました、形見の品として、彼が愛用してた孫の手がぺ号に乗ってますね

AIBA君のお守りだそうよ、危なくなった時には鈴木さんが手を貸してくれそうな気がするんだって

鈴木さんがいなくなってしまい、ぺ号の運転手はAIBA君が兼ねるようになりました、またスキンヘッドの運転手ですかね???

ぺ号運転席の保健師AIBA

鈴木さんが運転するぺ号の助手席にはいつも保健師AIBAがいた。鈴木さんを失い、茫然自失のAIBAだったが、すぐに自分でハンドルを握り頑張っている。春とは名ばかりの寒い福島ではスキンヘッドの頭には毛糸の帽子が必須(^J^)

あらやだ、ほんとね、でもAIBA君の場合は須田君のような迫力はないわねぇ、あはは~、とにかく安全運転、安全運転

ぺ号は、安全運転第一主義で今年も被災地を駆け巡ります

『今日こそいい日に』きぼうときずなの活動テーマソング 歌詞カード

『今日こそいい日に』はきぼうときずなの活動テーマソングです。プロジェクトリーダーの石井苗子が作詞作曲し、活動に賛同したシンガーソングライターの野見山正貴氏が編曲・歌唱してくださいました。今ふたたび、この歌を!!

こんにちわ、現地で走り回っているきぼうときずな号です。
今月は年に一度の車検を受けております。
普通の車よりも頻度は多いですが、年に一度は全身チェックをしておかないと、いざというときに月に行けませんからね。

“災害看護と心のケア 福島なごみの挑戦”の著者・米倉さんは、須田さんを『戦友』と表現されていますが、自分にとっても鈴木さんはまさに『戦友』でした。
生まれも育ちも価値観も全く合うところが無く、時々意見も食い違いました。それでも一緒に仕事を続けられたからこそ、互いに認め合うことができたのかと思っています。

戦友に恥をかかせないように、これからも頑張ります!

今月の稼動回数:お休み中
今月の走行距離:お休み中
→食費目安
(燃費8.5km/L、ガソリン145円/Lより算出)
*今月のぺ号は、車両ドッグ中デス(車検中)
*皆様からのご寄付をガソリン代に使わせていただいております
*寄付の申し込みはコチラ


きぼうときずなプロジェクト今後の予定

令和元年現地活動は、まもなくはじまります。
みなさまの町でお会いできる日を楽しみにしています。

これまでの活動はこちらから



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