おしゃべり通信

きぼうときずなプロジェクト9年目のご挨拶
2011年3月11日マグニチュード9.0の巨大地震が東日本全体を襲った時、私は台湾での講演の最中でした。帰国につく際の空港で、パスポートに書かれている「本籍Fukushima」をみた出国担当事務官が「がんばって」と日本語で言ってくれたことが忘れられません。
どうがんばればいいのか、それは常に大きな課題でした。被災された住民の方々を支えつつ地域医療の新しいシステム作りに少しでも貢献できることはないだろうか。
震災から1ヶ月のうちに、私は独自の支援活動を立ち上げ、被災地のニーズに応えていく形で継続してきました。
この8年間の活動は、「気づき」でした。そして今「気づき」を「きっかけ」に、「動き」にしていくこと、そうすることが、「きぼうときずな」の実現であると考えます。

「きぼうときずな」プロジェクト 代表 大橋靖雄

きぼうときずな代表 大橋 靖雄とリーダー 石井 苗子、活動の足「ぺ号」が、きぼうときずなプロジェクトの「今」を語ります。
  • NPO法人日本臨床研究支援ユニット
    理事長 中央大学理工学部教授
    東京大学名誉教授 福島市出身
    周りを気にせずどんどん進む先見の人、周りはポカ~ン(@_@;)
    ☆今月のはまっていること
    エディー

    詳しいプロフィール
  • NPO法人日本臨床研究支援ユニット
    理事 参議院議員 東京都浅草出身
    人情篤く物事命がけ!泳ぎ続けるマグロ状態…でも超元気!(^^)! 

    ☆今月のはまっていること
    ジェイミー

    詳しいプロフィール
  • 医療関係者やスタッフを乗せて被災地を縦横無尽に駆け巡っている。三つ子。福島県いわき市と郡山市在住
    無口で聞き上手。雨にも風にも凸凹道にも負けない辛抱人 好物はレギュラーガソリン。
    ☆今月のはまっていること
    ハカ

    詳しいプロフィール

No.30 富岡での電話保健指導の最中に台風が!
災害支援へ準備の大切さを実感。

19号は、地球温暖化の象徴のような台風でした

テレビでもずーっと命を守る選択をしてくださいと言い続けてたわね

一夜あけて、被害の甚大さに驚きました

私たちが活動を続けている福島県では、川の氾濫による浸水も深刻だったわ

浄水場の浸水がありましたから、いわき市では広域にわたって断水でしたね

きぼうときずなの専属看護師でいわき在住の恵子さんは自宅が断水、それでも仕事には行きますといってくれたのよね

そうでしたね。プロの意識ですね。毎年恒例のドコモさんとのコラボ、料理教室と健康チェックの予定が入ってたんでしたね、今年も富岡町での開催、みんなで体にいい料理をつくり、その傍らで健康チェックを実施、昼食には完成品を食べて、午後は健康講話でしたね

今秋10月16日に予定していた5回目となるドコモときぼうときずなの料理教室&健康チェック開催のチラシ。残念ながら台風で中止になりました

今秋10月16日に予定していた5回目となるドコモときぼうときずなの料理教室&健康チェック開催のチラシ。残念ながら台風で中止になりました

チラシ裏面は、きぼうときずなスタッフおよび関係者の紹介記事となっています

チラシ裏面は、きぼうときずなスタッフおよび関係者の紹介記事となっています

今回はえごまオイルをつかったレシピで開催予定、えごまに含まれるαリノレン酸は健康に効果があるのだけど……

台風で中止になりました

ドコモさんはこの活動に全国からの社員が参加するのよ、移動にも影響がでてたからやむを得ず中止の決定。きぼうときずなだけで開催しようと思ったんだけど、社協さんと相談したところ、参加者のお昼が確保できなくてねぇ~、東京みたいに明日お弁当30個もってきて~ってわけにいかないから、健康チェックは日を改めることにしました

2017年開催のドコモ&きぼうときずな「料理教室&健康チェック」イベントで、参加者と料理を食べながら歓談する石井。議員2年目無我夢中で多忙な時期ではあったが、保健師としてきぼうときずなの活動を休むことはなかった

2017年開催のドコモ&きぼうときずな「料理教室&健康チェック」イベントで、参加者と料理を食べながら歓談する石井。議員2年目無我夢中で多忙な時期ではあったが、保健師としてきぼうときずなの活動を休むことはなかった

食後は保健師として健康相談。石井の大丈夫です!の言葉で元気が出たという方も多い(^^♪

食後は保健師として健康相談。石井の大丈夫です!の言葉で元気が出たという方も多い(^^♪

富岡町では、今回は大きな被害はなくてよかったですが、田んぼが決壊して避難先のいわき市から修復作業に毎日富岡町に通ってるという方の話はききましたよ

避難先のいわき市に5年前に新しく家を建てたら、今回の台風で新居が浸水してしまったという方もいらっしゃいます

残念なことです。ようやく新しい生活の目途がたったところだったんでしょう

いわき市在住の看護師の恵子さんは、台風の後9日間断水が続いたらしいわ、1日何度も給水場に通って水を確保、20リットルのタンクを持って運ぶだけでも大変なのに、それを何度も繰り返したそうよ

きぼうときずなに長く協力して頂いている看護師の恵子さん。台風19号でいわき市の自宅が断水にも関わらず活動に参加して下さいました。血圧、骨密度、自律神経機能、筋膜測定などなんでも測って頂いています

きぼうときずなに長く協力して頂いている看護師の恵子さん。台風19号でいわき市の自宅が断水にも関わらず活動に参加して下さいました。血圧、骨密度、自律神経機能、筋膜測定などなんでも測って頂いています

断水のための給水場はあるけれど、なんども取りに行っては申し訳ないからと、水道が使える富岡町の自宅へいって水を汲んで車で毎日運んでいたという方もいらっしゃったようですよ。台風19号の名前はハギビス、すばやいという意味だそうです

すばやいというより、すさまじいって名前に変えてほしいわっ

8月から始まった、電話保健指導の方は順調ですか?

きぼうときずなの東京事務所では富岡町からの依頼で、糖尿病ハイリスクの住民の方への電話による保健指導を行っています。今年で2回目ですが、食事や運動による生活習慣改善に少しでもお役に立ちたいと掛け電させて頂いています

きぼうときずなの東京事務所では富岡町からの依頼で、糖尿病ハイリスクの住民の方への電話による保健指導を行っています。今年で2回目ですが、食事や運動による生活習慣改善に少しでもお役に立ちたいと掛け電させて頂いています

今年で2回目になるこの保健指導。
昨年度の健康診断で糖尿病ハイリスクと思われる方々に、改善のための目標を設定をします。8月、9月、10月の3か月間、月に1回それぞれにお電話をかけて行動変容を促していくの。“無関心期”→“関心期”→“準備期”→“実行期”→“維持期”の5つのステージへ導くんだけどね

昨年度の指導実施者に対しては、HDLコレステロールの上昇や、塩分摂取量の減少は認められました。今年度はどうでしょうか

8月の第一回目の電話保健指導ではご自身の検査値(血糖値、HbA1c)についての理解の確認。それから病識(糖尿病、肝臓病)の確認、つぎに食事、運動、内服習慣の現状確認、こうして現状より1ステップ改善するための目標設定ね

その後、担当保健師が1回目で設定した目標を達成するためのアドバイスを文書で送付します

きぼうときずな保健師相場はいわき市に移り住み、現在進めている富岡町の電話保健指導のプログラムなども担当。AIの異名を持つ彼は、少しでも気になることがあると、活動中でも速攻検索!

きぼうときずな保健師相場はいわき市に移り住み、現在進めている富岡町の電話保健指導のプログラムなども担当。AIの異名を持つ彼は、少しでも気になることがあると、活動中でも速攻検索!

9月のニ回目の電話指導では目標が続けられているかを確認、続けられない場合はもちろん達成しやすい目標に再設定するわよ

10月の三回目では参加した方々に率直な感想も話していただいて、行動変容ステージのどの段階にいるかを聞き取ります

まだ行動変容していない
   →気にしていない        →無関心期
   →変えようと思っている   →関心期 or 準備期
行動変容している
   →実行期 or 維持期
ってかんじにね

行動ですが、例えば食事、これは<食べる量><品目のバランス><順番><時間>と分けて考えます

やってみようと思うことの提案はするのだけど、そのまま実行するのではなく、それをヒントにしてご本人に考えていただくのがポイント

そうですね

でも……。三回目となった10月は、台風の3日後からの掛電開始というスケジュールだったでしょ。福島県庁が発表の被災地域の方へは落ち着いたころを見計らい、断水地域は解消してからにしたけれど……。それでもやはりまだ断水中ですという方がいらしたわね

三回目の電話は台風お見舞い、消息確認のようですね

直接被災をうけた方はいらっしゃらなくてひとまず安心、でもみなさんすっかり疲れてました。そりゃそうよね、なんとなく不安な気持ちで疲れてしまうわね

そうですね

でもね、電話で話をすることで、以前より気にかけるようになったと言ってくださる方は多いわよ、食事も運動も

一人で有言実行というのはなかなか難しいですからね

有言実行といえばよ! 感動的だったわ~ラグビーワールドカップの日本代表! まさに有言実行チームだったわね

そうですね。あのチームこそポピュレーションアプローチでしょう

はぁ~~~~???

高い能力のある者だけを鍛え上げるのではなく、集団全体を鍛え上げて高いレベルにシフトしていくということです

あ~、つまり生活習慣病対策のハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチをラグビーに例えるとってことですかねぇ~~???

危険因子をもつ集団のうちより高いリスクを有する者に対する方法はハイリスクアプローチ、集団全体に働きかけて適切な方向にシフトする方法がポピュレーションアプローチ

えーっと、だからつまり、ハイリスクアプローチの場合、集団全体への影響は限られているけれど、ポピュレーションアプローチの方は集団全体を良い方向にシフトさせ、多大な恩恵をもたらすんだわね

そうです、そうです! きぼうときずなの電話保健指導はポピュレーションアプローチの方が相性がよいということになります

つまり、え~っと、そうなのよ、そういうことです

参加者を魅了する大橋の熱い講義?!  一人でも多くの方に語りかけて町全体で健康になる「ポピュレーションアプローチ」を常に実践

参加者を魅了する大橋の熱い講義?! 一人でも多くの方に語りかけて町全体で健康になる「ポピュレーションアプローチ」を常に実践

ラグビーで思い出しましたけど、秋に神宮球場で開催する予定になっていた地域創生のイベントは残念でした。台風ですから仕方ありませんね

そうなのよね、台風でスポンサーが被災してしまったらしいの。きぼうときずなの早稲田シュシュもたくさん用意したし、マジッククッションも冬のスポーツ観戦によかったんだけどね~。来春に持越し。2020年春の早慶戦でいざ出展!!

毎度おなじみ、きぼうときずなが応援する富岡町手作りサークル<サマンサ・マミー>の作品。マジッククッションは寒いこれからのスポーツ観戦など携帯にも便利。早稲田カラーのシュシュは早稲田大学応援部が合宿でお世話になっていた被災地岩手県宮古市での激励イベントでも使用しました

毎度おなじみ、きぼうときずなが応援する富岡町手作りサークル<サマンサ・マミー>の作品。マジッククッションは寒いこれからのスポーツ観戦など携帯にも便利。早稲田カラーのシュシュは早稲田大学応援部が合宿でお世話になっていた被災地岩手県宮古市での激励イベントでも使用しました

早稲田大学応援部チアリーダーの練習を見学にいった石井。若い学生たちと交流し楽しそう

早稲田大学応援部チアリーダーの練習を見学にいった石井。若い学生たちと交流し楽しそう

台風の1週前に開催した仙台市ヨークベニマル茂庭店は大盛況でしたね、秋晴れで県境の山々がきれいに見えたんじゃないですか。僕はどうしても外せない仕事が入り、石井リーダーにお任せでしたご苦労様でしたm(__)m

この10月、仙台市のヨークベニマル茂庭店で開催した健康チェックイベントで結果説明をする保健師石井。机にはいつもぺ号を寄贈して下さったぺ・ヨンジュンさんとの写真を感謝を込めて飾っている。いつの頃からか大橋と石井の似顔絵も。これはきぼうときずなのスタッフだった方からのプレゼント、イイね♡♡

この10月、仙台市のヨークベニマル茂庭店で開催した健康チェックイベントで結果説明をする保健師石井。机にはいつもぺ号を寄贈して下さったぺ・ヨンジュンさんとの写真を感謝を込めて飾っている。いつの頃からか大橋と石井の似顔絵も。これはきぼうときずなのスタッフだった方からのプレゼント、イイね♡♡

東北大学の学生ボランティアと石井。石井の真後ろの方はモンゴルからの留学生。あとは一年生のお二人。きぼうときずなは学生ボランティアの力を生かしていきたいと考えています

東北大学の学生ボランティアと石井。石井の真後ろの方はモンゴルからの留学生。あとは一年生のお二人。きぼうときずなは学生ボランティアの力を生かしていきたいと考えています

チラシをもって開始前から並んで待ってくださる方も、リピーターの方も、今回が3回目の開催だったけど、この企画が認知されてきて、参加してくださる方も着々と増えてるわよね、次回の2020年3月開催にもまた来るわ~って言いながら帰っていかれたわよ

そうですね。健康チェックは定期的にうけて体の状態の変化を知ることが大切です

健康相談をする石井と、手前は健康チェックの結果説明をしている保健師相場。相場は健康でいるための無理のないアドバイスを心掛けている

健康相談をする石井と、手前は健康チェックの結果説明をしている保健師相場。相場は健康でいるための無理のないアドバイスを心掛けている

茂庭店店長さんは体育会系のとてもさわやかな方。開催にあたっても好意的に準備をしてくださるし、当日は館内放送もしてくれたのよ

きぼうときずなの支援活動は、多くの方の協力に上に成り立っています。そのことを十分に理解して、全力で活動を続けていかなければいけません“有言実行”です

きりっとさわやか茂庭店店長さんと石井、そして大橋の代理として保健師相場の3ショット。こちらでの開催は店長さんのご尽力によるもの。店内放送やチラシでの開催PRなど、ご協力に感謝しています

きりっとさわやか茂庭店店長さんと石井、そして大橋の代理として保健師相場の3ショット。こちらでの開催は店長さんのご尽力によるもの。店内放送やチラシでの開催PRなど、ご協力に感謝しています

こんにちは、現地で走り回っているきぼうときずな号です。

いわき市は台風被害で大変でしたが、普段高台にいるおかげでなんとか被害を免れることができました。
こんなときだからこそ、できることを、できる範囲で、と断水地域で生活する保健師の恵子さんに水を届けようと思い立ちましたが、ペットボトルの水はもとより、ポリタンクも全て売り切れでした。

災害による被害が起きてからの動きでは、想いがあっても行動に結びつかないことを改めて感じました。
普段から情報を集めておき、可能な限りの準備をしておいて、いざというときに働けるようにしておくことが重要ですね。
今更ながら、実感いたしました。。。

AIBAはこっそりと、断水地域でおこなわれた炊き出しのお手伝いに行っていたようです。
そして、想像以上にピンチ時に動けていないことを気にしていました。
同じことが再び起こってほしくありませんが、経験から学ぶのがAIBAの長所ですからね。
何か素敵な仕事をやってくれることでしょう。

今月の稼動回数: 4日
今月の走行距離: 440km
→食費目安 7,500円(燃費8.5km/L、ガソリン代145円/L)


きぼうときずなプロジェクト今後の予定


〜福島県県内避難者・帰還者心の復興事業〜

■12/15(土) 富岡あんしんPJ ~ステージ3~(富岡健康IKOI隊)
◇会場:さくらモールとみおか@富岡町
◇内容:スーパー店舗内に簡易健康チェックブースを設置して、健康を保つ方法を伝えます
◇協力団体:株式会社ヨークベニマル、東北大学学生ボランティア、中央大学学生ボランティア

これまでの活動はこちらから



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