おしゃべり通信

きぼうときずなプロジェクト10年目のご挨拶
2011年3月11日マグニチュード9.0の巨大地震が東日本全体を襲った時、私は台湾での講演の最中でした。帰国につく際の空港で、パスポートに書かれている「本籍Fukushima」をみた出国担当事務官が「がんばって」と日本語で言ってくれたことが忘れられません。
どうがんばればいいのか、それは常に大きな課題でした。被災された住民の方々を支えつつ地域医療の新しいシステム作りに少しでも貢献できることはないだろうか。
震災から1ヶ月のうちに、私は独自の支援活動を立ち上げ、被災地のニーズに応えていく形で継続してきました。
この8年間の活動は、「気づき」でした。そして今「気づき」を「きっかけ」に、「動き」にしていくこと、そうすることが、「きぼうときずな」の実現であると考えます。

「きぼうときずな」プロジェクト 代表 大橋靖雄

きぼうときずな代表 大橋 靖雄とリーダー 石井 苗子、活動の足「ぺ号」が、きぼうときずなプロジェクトの「今」を語ります。
  • NPO法人日本臨床研究支援ユニット
    理事長 中央大学理工学部教授
    東京大学名誉教授 福島市出身
    周りを気にせずどんどん進む先見の人、周りはポカ~ン(@_@;)
    ☆今月のはまっていること
    スーパームーン

    詳しいプロフィール
  • NPO法人日本臨床研究支援ユニット
    理事 参議院議員 東京都浅草出身
    人情篤く物事命がけ!泳ぎ続けるマグロ状態…でも超元気!(^^)! 

    ☆今月のはまっていること
    Moon cake

    詳しいプロフィール
  • 医療関係者やスタッフを乗せて被災地を縦横無尽に駆け巡っている。三つ子。福島県いわき市と郡山市在住
    無口で聞き上手。雨にも風にも凸凹道にも負けない辛抱人 好物はレギュラーガソリン。
    ☆今月のはまっていること
    マイクロムーン

    詳しいプロフィール

No.40 野菊咲く季節に被災地での支援活動が本格再開
外出自粛の影響を懸念し、骨密度・筋質測定を実施!

季節は秋、10月、今月は十五夜、そして十三夜のちの月ですね。
“のちの月という時分がくると、どうも思わずには居られない”……

はぁ~どうしました先生???

野菊の墓ですよ、日本の秋を感じませんか

野菊の墓ですかぁ~、う~ん秋ねぇ。
野菊の如き君なりき“まつ人も待たるる人もかぎりなき 思ひ忍ばん北の秋風に”
秋だわね~

さて、今度の土曜日は仙台市のヨークベニマル茂庭店での健康チェックです

マスク、フェイスシールド、アクリルパネル、非接触体温計、そして消毒関係、ばっちり!

前回から少し時間があいてますから、準備には余念なくおねがいします。特に今回からはコロナ対策がありますから

今年度の復興庁事業「心の復興」≪心と体とまちの栄養復興プロジェクト≫の広報用パネル。このプロジェクトも5年目に入りました

今年度の復興庁事業「心の復興」≪心と体とまちの栄養復興プロジェクト≫の広報用パネル。このプロジェクトも5年目に入りました

冬からのコロナ、そして熱中症でしょ、思うように外出できない日々が続いたから、今回は骨密度そして筋質測定を実施しようと思うんですよ

いいですね、骨とそのまわりの筋肉は健康寿命に大きな影響があります

結果をみながら、それぞれにあった行動変容を提案したいと思ってるの。
さわやかな秋の気候は散歩をするにも心地よいわぁ♪ 茂庭店周辺は自然が多いから景色を見てるだけでもつい深呼吸してしまうくらいよ~ん。それこそ野菊も咲きはじめるわね

健康チェックにご夫婦で参加者された方へは、お互いの健康状態を知ってもらい食事や運動など一緒に暮らす中での健康増進をアドバイス

健康チェックにご夫婦で参加者された方へは、お互いの健康状態を知ってもらい食事や運動など一緒に暮らす中での健康増進をアドバイス

どんな過酷な天候にも耐えて、時期が来れば咲き、実り、植物はたくましいですね

“たくましい根に咲く花を”早稲田大学の応援部で語り継がれている言葉だそうよ、いい言葉よね。これは健康な身体と楽しい人生に置き換えられそう。強さも、たくましさも、そして美しさも、健康も、やっぱり努力は必要ね

富岡町の住民のみなさんを対象にした、電話個別指導も今月が最終回ですね

8月に1回目のお電話、まずは生活状態をお聞きしました。そして聞き取った内容をもとに保健師のAIBA君が、それぞれにあわせた生活上の目標設定を提案したお手紙を作って発送。
その後の様子を伺いに月に1度お電話でお話しして。10月の最終回が終わるといよいよ町の健診がはじまります

富岡町住民の方へ電話による個別指導は3か月のうち3回の電話だけではありません。一人ひとり生活習慣をみての保健師による一言コメントと目標達成に役立つチェックシートを同封したお手紙をさしあげています

富岡町住民の方へ電話による個別指導は3か月のうち3回の電話だけではありません。一人ひとり生活習慣をみての保健師による一言コメントと目標達成に役立つチェックシートを同封したお手紙をさしあげています

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電話での住民の皆さんの様子はどうでしたか?

すごいのよ、ほとんどの方が、自分なりに気を付けて生活していらっしゃるの。こちらから何かを提案するというより、まずは現状維持してくださいねという感じだったわ

健康に対する意識が向上していますね

運動の方は、やはりコロナや熱中症でなかなか外にはっていう方が大半だったけど、こんな状況だから自宅に運動器具を購入しちゃいましたという人もいたわよ。とにかくみなさん家の中でもできるだけ体を動かすように心がけてらっしゃる様子だったわ

仮設に住んでいたころとは違い、家の中でも体を動かすことができるようになりましたね。応急仮設住宅は応急とつくだけあって急場しのぎですから長期で住むものではなかったのですが、原発事故はそうは簡単に解決されるものではありませんでした

2011年地震から間もない頃、相馬の狭い仮設住宅を個別訪問して被災住民の健康状態を確認するきぼうときずなの保健師たち。帽子の後ろ姿は自ら保健師としてプロジェクトを引っ張る石井

2011年地震から間もない頃、相馬の狭い仮設住宅を個別訪問して被災住民の健康状態を確認するきぼうときずなの保健師たち。帽子の後ろ姿は自ら保健師としてプロジェクトを引っ張る石井

仮設住宅に暮らす子供たちに少しでも体を動かして遊んでほしいと、きぼうときずなの保健師たちも縄を一生懸命にまわします

仮設住宅に暮らす子供たちに少しでも体を動かして遊んでほしいと、きぼうときずなの保健師たちも縄を一生懸命にまわします

電話では運動と食事の状況について行動変容を促すのだけど、食事についてバランスっていわれてもバランスってどうしたらいいわからないって人がいたわ

食べるものが偏ってしまうと、必要な栄養が十分に取れないこともおこります

保健師AIBA君は、たとえば食事を写真に撮って客観的にみてみるというのを提案、色のバランスで、茶色(油もの)や白色(糖質)が多いときは要注意ですよってコメント文書をつくっていたわ

茶色や白色が多いときは、緑色、黄色、赤色を足すのがいいですね、つまり野菜です

アラ~なんかとってもかわいい食べ物ね野菜って♪ 緑♪ 黄♪ 赤♪
食事は毎日のことだから毎回彩を考えるのは大変だけど、一日1色加えてもいいかもね

富岡町の住民の方たちが郡山の畑で栽培した旬の野菜いろいろ。きぼうときずなの料理教室で地元で採れた野菜として使わせていただきました

富岡町の住民の方たちが郡山の畑で栽培した旬の野菜いろいろ。きぼうときずなの料理教室で地元で採れた野菜として使わせていただきました

そうです、そうです

野菜といえば、2016年の夏、野菜の効能とレシピというのを作成して配布したことがありましたね。あの時紹介した野菜のキーワードは、“カリウム”
夏場はね、汗をたくさんかく分、身体の中の水分量を調整できるよう、ナトリウムとカリウムをバランスよく摂る必要があるの。程よい塩気(ナトリウム)と夏野菜(カリウム)は、夏を乗り切るための助っ人コンビよん。
それにしても今年は本当に暑い夏だったわぁ~

野菜のレシピ集を開いて、野菜の効果効能について説明をする石井。毎日のバランスのよい食事がいかに大切か、女性達も真剣に耳を傾けています

野菜のレシピ集を開いて、野菜の効果効能について説明をする石井。毎日のバランスのよい食事がいかに大切か、女性達も真剣に耳を傾けています

富岡町役場の男性陣にも野菜のレシピについてしっかりと説明する石井

富岡町役場の男性陣にも野菜のレシピについてしっかりと説明する石井

8月の東日本の平均気温は例年より2.1度高く、記録更新だったそうです

自分がソーラーパネルになってしまったかと思うほど、灼熱の太陽に毎日照りつけられた感じの夏でした

先ほど応急仮設住宅の話がでましたが、当時、夏は暑くて大変そうでした

あまりの暑さに屋根の上で目玉焼きができるなんて言ってる方がいたわ

仮設住宅が夏場にどれだけ暑いかという話の時に聞きましたね。みなさんよく頑張り抜きましたよ、あの環境を。
石井さんは富岡町の保健師さんの避難先の仮設住宅に寝泊まりして支援活動を行った時期もありましたよね

震災直後はホテルも営業していないから、保健師さんの仮設住宅に泊めてもらって毎日の支援活動をつづけたわ

住民への保健活動に共に従事し、寝食も共にし、まさに同志ですね

アタシは東京に戻れば家があるけど、役場の人たちは彼ら自身も被災してる中での任務遂行だから本当に大変なことだったと思うわ。
私が泊めていただいたのは、とってもお料理の上手な保健師さんで、朝は“石井さん朝ごはんできたよ”って起こしてくれて、お味噌汁とお漬物がとても美味しかったのよね

い し い さん……(*○*)!!
同志でもあり、面倒見の良い保健師さんでした。その後もわれわれが活動に行くと手作りの品を差し入れしてくれました

ルバーブのジャムとか、おいしかったわよね

東京ではなかなか新鮮なルバーブは手に入りませんから貴重な手作りジャムですよ

彼女はその後借り上げ住宅に引っ越して、ホテルも営業を開始したけど、アタシはいつも彼女の家に泊めてもらったの。昼間はこなさなければいけない仕事であっというまに一日過ぎるから、夜、情報交換や最善策を相談したりしてね

2011年震災間もない頃、富岡町役場の保健師と打合せをする石井と聖路加国際大学の山田センター長(当時/石井の隣)。手前の水色のポロシャツの女性が石井の同志、保健師の安倍さん。手前の後ろ姿の男性は富岡町の医師で、震災直後から医師としての活動を再開している

2011年震災間もない頃、富岡町役場の保健師と打合せをする石井と聖路加国際大学の山田センター長(当時/石井の隣)。手前の水色のポロシャツの女性が石井の同志、保健師の安倍さん。手前の後ろ姿の男性は富岡町の医師で、震災直後から医師としての活動を再開している

ぺ号に乗って仮設住宅など被災地を回った保健師関係者たちの束の間の笑顔

ぺ号に乗って仮設住宅など被災地を回った保健師関係者たちの束の間の笑顔

富岡町役場の保健師安倍敬子さん。震災直後から富岡町の被災支援を始めた石井と出会い、大混乱の中、共にあらんかぎりの力で被災住民の健康支援に力を注ぎました。今でもきぼうときずなの健康イベントなどに顔を見せてくれる石井の同志です

富岡町役場の保健師安倍敬子さん。震災直後から富岡町の被災支援を始めた石井と出会い、大混乱の中、共にあらんかぎりの力で被災住民の健康支援に力を注ぎました。今でもきぼうときずなの健康イベントなどに顔を見せてくれる石井の同志です

とりあえず明日を生き抜くためにという時期が長く続きました

そうね、あの頃は復興という言葉は、まだ漠然としていたわ

避難している全町民がとにかく健康ですごしてもらうことがすべてでした

夢中だったわ

2017年4月8日、富岡町の帰町の記念式典に参加した時の石井&大橋と、石井の同志で富岡町役場の安倍敬子さん。三人共、ようやく帰町できる町民を思って喜びの笑顔です

2017年4月8日、富岡町の帰町の記念式典に参加した時の石井&大橋と、石井の同志で富岡町役場の安倍敬子さん。三人共、ようやく帰町できる町民を思って喜びの笑顔です

東日本大震災から9年経過しました。9月20日、双葉町に東日本大震災・原子力災害伝承館というのが開館したようですよ。福島県によると、災害の記録と記憶を国や世代を越えて伝えるとともに、復興に向けて力強く進む福島県の姿や、これまで国内外からいただいた御支援に対する感謝の思いを発信する情報拠点という位置づけのものだそうです
☆東日本大震災・原子力災害伝承館サイトhttps://www.fipo.or.jp/lore#id-02

1度行ってみなければね、でも復興は、まだ道半
そうだっ!今月31日はブルームーン!願い事をするとかなうといわれる満月よね
東日本大震災被災地の未来を願うわ

そうですね、願い事はもちろん、われわれにできることはこれからも精一杯つづけていきます。被災地の道端に咲く野菊の花を、のちの月夜に愛でる健康であたりまえの生活のために

石井が作成した野菜のレシピ集。野菜の効能とレシピをワンポイントで分かりやすくまとめ、健康イベントなどの参加者へ配布したものです。夏バージョンですが、新型コロナウイルスに負けない健康作りにご活用下さい!

石井が作成した野菜のレシピ集。野菜の効能とレシピをワンポイントで分かりやすくまとめ、健康イベントなどの参加者へ配布したものです。夏バージョンですが、新型コロナウイルスに負けない健康作りにご活用下さい!

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こんにちは、現地で走り回っているきぼうときずな号です。

今週のヨークベニマル茂庭店で、今年度は活動開始です。
富岡町の皆さんへの電話や文書作り、活動のための計画づくりや関係各所との調整などももちろん大切ですが、直接住民の方々と触れ合う機会は、やっぱり楽しみです。

来てくださる方々の不安な気持ちを少しでも軽くして、健康を保ちながら生活を送れるお手伝いをしてきます。
次回はそんな現場での様子をお伝えしますので、ご期待くださいね!

今月の稼動回数: 活動準備中
今月の走行距離: 活動準備中
→食費目安 計算中(燃費8.5km/L、ガソリン代140円/L)


きぼうときずなプロジェクト今後の予定


〜復興庁「心の復興」補助事業〜

■10/3(土) 心と体とまちの栄養復興PJ(健康IKOI隊)
◇会場:ヨークベニマル茂庭店@仙台市
◇内容:スーパー店舗内に簡易健康チェックブースを設置して、健康を保つ方法を伝えます
◇協力団体:株式会社ヨークベニマル サラヤ株式会社 東北大学学生ボランティア


~福島県県内避難者・帰還者心の復興事業~

■10/10(土) 富岡あんしんPJ ~ステージ4~(富岡健康いこい隊)
◇会場:さくらモールとみおか@富岡町
◇内容:スーパー店舗内に簡易健康チェックブースを設置して、健康を保つ方法を伝えます
◇協力団体:株式会社ヨークベニマル サラヤ株式会社 東北大学学生ボランティア


~富岡町医療支援活動~

■10月 電話と文書による個別指導

◇内容:町総合検診の結果をもとに、生活習慣改善を促せるように電話と文書でお伝えします


■10/12(月)、13(火)  睡眠に関する啓発活動
◇会場:ビッグパレットふくしま@郡山市
◇内容:町総合健診の会場で、睡眠に関するパンフレットをお渡しします


これまでの活動はこちらから



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